STORY01

IJBNet(Indonesia Japan Business Network)
代表理事長 / 会長

SUYOTO RAIS

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「規格外ココナッツ」から生まれる
SAFの挑戦

SAF開発への
支援の始まり

私は、インドネシアと日本のビジネス交流を支援する団体「IJBNet」の代表を務めています。日本グリーン電力開発様とは、SAF(持続可能な航空燃料)開発事業で深くかかわってきました。 初めての出会いは2020年2月のことです。九州環境エネルギー産業推進機構(K-RIP)の会員である企業がインドネシアを訪問した際、訪問先の調整や現地案内を担当したのが、私たちIJBNetでした。日本グリーン電力開発様は当時、SAF開発に複数の原材料を検討しており、その中にインドネシアのココナッツが含まれていたのです。深く興味を持った私は、日本グリーン電力開発様に自らコンタクトを取り、SAF開発に利用可能なココナッツの調査をはじめとした継続的な支援を行うようになりました。

SAF開発への支援の始まり

食用外となるココナッツの定義づけが明確になった後、約2年間にわたる取り組みが認められた結果「規格外ココナッツ」はICAO-CORCIAのPositive Listに登録されました。すなわち、SAF原材料として認められるようになったのです。インドネシア政府や関係産官学の協力要請、ココナッツ生産現場からのデータやトレサビリティシステムの開発など、多くの壁を乗り越えて掴んだ成果です。
次のステップは、規格外ココナッツ由来の粗油(CCO)工場の準備です。工場の設置・運営に関するパートナー企業もすでに選定しました。さらに日本でのSAF開発に必要なCCOのサンプルの日本搬送もサポートし、さらなるプロジェクト加速が予想されるところです。

SAF開発への支援の始まり

SAF開発事業が導く、
両国間の新たな関係

プロジェクトの進行に伴い、SAF開発事業がインドネシア国内で大きな期待感のうねりを生んでいるのを感じます。国内の関係産官学や協会のほか、各省庁や地方政府の協力も得られるようになりました。2024年9月にはインドネシア政府より、SAF開発事業を含む「ココナッツ産業発展ロードマップ」も公表されています。さらには、ココナッツに食用外での活用法があることが周知され始めたことで、ココナッツ生産に関わる事業者の中でエネルギー産業に関わる“誇り”のようなものが生まれ始めているようです。CCO工場の設立候補地においても、雇用造成への期待が高まっています。プロジェクトはすでに、日本グリーン電力開発様とIJBNetというより、日本とインドネシアにおけるWIN-WINな関係の礎になりつつあるといえるでしょう。

SAF開発への支援の始まり

一方でSAF開発事業は、技術的にも経済的にも未知の分野です。多くの面で課題が山積しており、その解決策も2社間で協力しながら見つけていかなければなりません。その点、日本グリーン電力開発様とは、気軽に「さん」付けで呼び合いながら、助言やサポートをしあう良い関係を築けていると感じます。今後もSAF開発事業への貢献を通して、2国間の良好な関係づくりに励んでいきます。それがインドネシアや私の家族の良い未来につながっていくはずです。