事業の特徴
01世界で初めて規格外ココナッツ由来のSAF事業化に着手
航空燃料の脱炭素化が喫緊の課題となる中、当社は「規格外ココナッツ由来のSAF」商用化に向けて、世界に先駆けて研究・事業開発を続けてきました。
ジェット燃料(炭化水素)に近い炭素数
これまでバイオマス燃料として注目されてきたパーム・ジャトロファ・菜種油などと比較して、CCO(Clude Coconut Oil/ココナッツオイル)中に含まれる脂肪酸は、ジェット燃料を構成する炭化水素と炭素数が類似しています。これにより炭化水素を切断するための水素を節約することができます。
全部位で発電・燃料活用が可能
ココナッツは殻・内果皮・ココナッツウォーター・果肉の全部位を発電や燃料として活用可能であるため、
GHG(温室効果ガス)の大幅な削減およびカーボンニュートラルの実現へ大きく貢献することが期待されます。
02規格外ココナッツのSAF原料としての世界標準化
ココナッツのSAF原料化は、規格外ココナッツの定義づくりからスタートしました。
インドネシア政府との連携を図りつつ事業が推進される中、2024年3月、当社の「規格外ココナッツ」はICAO CORSIAのPositive Listに登録されるに至りました。
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規格外ココナッツの定義づくり
SAF原料として使用可能なココナッツの国際的な定義づくりをリード
インドネシア政府・国連下の政府間組織の支援
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2024年3月 規格外ココナッツがSAF原料に新規登録
ICAOのCORSIAにてPositive Listに登録
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CORSIA認証取得を目指して、持続可能な原料調達の仕組みづくり
原産国にCCO製造工場の建設プロジェクトを推進
生産地からCCO製造工場までのトレーサビリティーシステムの構築
※ICAO:国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization
※CORSIA:Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation
03原料メリットを活かした触媒開発を進行中
ジェット燃料に近い炭素数のCCOならではのメリットを活かして、低水素圧での触媒反応を進行させています。CCOからニートSAFを生成するための水素化反応・脱炭酸反応・異性化反応を一括で行う多機能触媒により、クラッキング反応を抑えた環境低負荷かつ低水素消費の触媒反応プロセスを構築中です。
上記反応を一括で行い、かつ脱炭素反応を促進する「多機能触媒」を開発環境にやさしい低水素消費プロセスの構築へ
04ASTM規格に適合したニートSAF製造に成功
ASTM規格とはJIS規格と同様の工業規格であり、世界最大規模の標準化団体「ASTM International(米国試験材料協会)」によって策定されています。当社は、2019年より東京農工大学と規格外ココナッツ由来SAF製造のための新規触媒開発の共同研究を開始し、2024年6月にASTM規格に準拠したSAF製造に成功しました。
2024年6月、ASTM D7566のAnnex2に準拠したSAF製造に成功